少し前に友人から、「知り合いに、いずれエンジニアに転職したいって人がいるんです。やっぱりプログラミングスクールとか行った方ががいいんですかね?」みたいな内容を聞かれたことがありました。
一時期に比べて、プログラミングスクールブームも下火になったと思います。
しかし、まだまだ専門学校に行く的なノリで、「とりあえずプログラミングスクールに行こう。」と思っている人も居るかもしれません。
私自身は文学部を卒業した後、新卒でSES企業に入社しました。転職はしましたがずっと派遣SEをしています。そのため、プログラミングスクールに行ったことはありません。
ですので、プログラミングスクールの実情というより、私から見たプログラミングスクールの印象がメインになります。
現役でSEをしている私には、プログラミングスクールはこう映っているという話です。
プログラミングスクールに行くか迷われている方にとって、少しでも判断の助けになればいいと思います。
【結論】未経験はプログラミングスクールに行くべきか
最初に、スクールに通うべきか?という問いにだけ回答します。
結論としては、【コスパがあまりにも悪い。よほど自分に自信がないとかでなければ、おすすめはしない。】となります。
なぜそのような結論に至ったのか、これから説明していきます。
どんなプログラミングスクールがあるか
まずは、プログラミングスクールとはどんなところがあるのか確認してみましょう。
有料プログラミングスクール
有名どころのスクールを見てみましょう。
※プランは2022年3月10日時点
テックキャンプ
まずはテックキャンプです。
短期集中スタイル(フルタイム)
657,800円(税込)
厚生労働省指定講座 専門実践教育訓練給付制度を利用した場合、実質197,340円(税込)。
夜間・休日スタイル
877,800円(税込)
厚生労働省指定講座 専門実践教育訓練給付制度を利用した場合、実質317,800円(税込)。
個人的には、仕事をやめてスクールに通うのは悪手なので、夜間・休日スタイルを選択すると考えると約30万円です。えぐいです。
DMM WEBCAMP エンジニア転職
続いて、DMM WEBCAMP エンジニア転職です。
短期集中コース(フルタイム)
総額690,800円(税込)
専門技術コース(フルタイム)
総額910,800円(税込)
厚生労働省指定講座 専門実践教育訓練給付制度を利用した場合、実質340,800円(税込)。
就業両立コース(夜間・休日)
総額756,800円(税込)
就業両立コースは、給付金が利用できないらしいので約75万円です。死んじゃいます。
ただ、短期集中コース・専門技術コースの2ヶ月目が、チーム開発としてカリキュラムが組まれているのはすごくいいなと思いました。
SAMURAI ENGINEER
最後は、SAMURAI ENGINEERです。
コースが多すぎてシンドイです。転職保障コースだけ見てみます。
細かいカリキュラムはHPになかったので、フルタイムなのかはわかりませんでした。
転職保証コース 16週間プラン(不明)
総額594,000円(税込)
転職保証コース 24週間プラン(不明)
総額880,000円(税込)
Webアプリ開発のスキル獲得も含めると24週間プランです。約88万円です。
ちなみに、給付金についての記載はありませんでした。死んじゃいます。
一通り見てみて
いずれも、HPを見る限りカリキュラムの内容は悪くありませんし、フルタイム系のコースは総学習時間も長いので、ぼったくりだとも思いません。
ただし、冷静に考えてこの金額はどうなのでしょうか?
資格取得を支援してくれるところもありますが、免許のように卒業と同時に資格が貰えるわけはありません。
おまけに、フルタイム系のコースは当然ですが日中仕事ができません。ひたすらお金が出ていく一方です。本当にコスパいいのでしょうか?ちゃんと考えてみた方がいいです。
無料プログラミングスクール
ざっと調べて出てくるのはここら辺ですかね。
ギークジョブ
最初は、ギークジョブです。
HPにカリキュラムの記載はありませんでした。
プログラマカレッジ
続いて、プログラマカレッジです。
個別研修コース・平日5日間コース・週3夜間コースと選択できるらしいです。
学習項目に
「仕様書、設計書の読み方・テスト項目の作り方など」
が含まれているのも個人的にはいいと思います。
Java Silverの取得に向けての支援があるのはいいと思います。
0円スクール
最後に、0円スクールです。
週4日以上推奨なので、仕事との両立は厳しいですね。
フロントエンドがJSPなのが少しレガシーですが、フロントからSQLまでやるのは良いと思います。
一通り見てみて
少しレガシーな感じがする部分が見られつつも、割といいカリキュラムなのではないかと感じました。
真面目に入社研修をしているSES企業だとこんなものです。
就職先を紹介してくれるプログラミングスクールはどうか
スクールの中には企業と提携していて、その提携企業に優先的に紹介してもらえるところもあります。
であれば、「就職先を紹介してもらえるのであれば、コスパに合うのでは?」と感じる人も居ると思います。
しかし当然ですが、紹介してもらえる企業が良い企業とは限りません。
むしろ紹介してもらっている以上、自ら選択肢を狭めているとすら言えます。
もちろん、自分で就活したとしても、スクールを出たばかりのペーペーがホワイト企業に入れるかというのはまた別問題ですが・・・。
プログラミングスクールに通ったからと言って良い企業に入れるとは限らない
結局はこれにつきます。
主な紹介先を公開していて、自分から見てその企業がいい企業だなと思うなら、そのスクールに通うのもいいと思います。
カウンセリング時に、その企業への直近の紹介実績などを聞ければなおよしでしょう。
しかし、プログラミングスクールに通ったからと言って、無条件でいい企業に入れるわけではないと思います。
なぜプログラミングスクールと企業の提携が成立するのか
そもそも、なぜ企業がスクールと提携しているのか?を考えてみましょう。
そもそも論として、人を雇って育成するにはお金がかかります。
マイナビなどを経由して入社してもらうと、50万円クラスの紹介料が発生します。
自社で研修をするなら、その期間の給与と講師の費用が更にかかります。研修が終わる頃には、トータルで100万円はかかってしまうでしょうか?
そこまで時間とお金をかけても、本人に適性がなくてすぐに辞めてしまったら・・・。目も当てられません。
その点、スクールから人材を紹介してもらうと、自社で人を雇って研修をするよりも安上がりです。
おまけに、適性がない人は勝手にスクールを辞めるので、ある程度ハズレを見極めることもできます。
いかがでしょうか?これなら、スクールに紹介料を支払っても十分元が取れると思います。その人の能力に応じて紹介料が変動すればもう最高ですね。
つまり、企業と提携しているスクールとは、企業側の研修にかかる費用を浮かせるために存在すると言っていいと思います。
さて、一番割を食っているのは誰なんでしょうか・・・?
転職保障は個人的にはうさんくさい
転職できなければ、返金すると謳っているスクールもあります。
「それなら安心だ!」そう思いますか?私はそうは思いません。
誰もが対象になるとは限らない
よーく資料を確認してください。
「適用には、弊社規定の条件を満たす必要があります。」
このような記述はありませんか?
もちろん、規定の内容は各社様々だと思います。
あまりに悪質であれば、もっと問題になっているでしょうしね。
しかし、例えば以下のような人の転職は保証できないのではないでしょうか?
イタイ婚活男女みたいに、自分のスペックに対して希望の理想が高くて、全然就職できない人。
いかがでしょうか?このような人だった場合、返金してくれるのでしょうか?
普通に考えて返金したくないですよね。
こんな人にいちいち返金していたら、お金がいくらあっても足りません。
自分が行きたい企業に行かせてくれるきっぷではない
上記は極端な例ですが、つまり転職保障とは、自分が行きたい企業に行かせてくれるきっぷではないということです。
おそらくですが、キャリアカウンセリングを通して、「今くらいの能力ならこの辺の企業がおすすめですよ。」と案内を受けるのでないでしょうか?
もちろん、案内される企業がホワイト企業とは限らないでしょう。
しかし、その案内を蹴って就職できなかった場合、返金保証から外れるのではないか?そんなことを考えてしまいます。
一番コスパがいいと思っている方法は何か
これから私が言う内容は、キラキラのWeb系IT企業に入りたい人には、必ずしも当てはまらないかもしれません。
しかし、IT業界の給与水準は高めで、私のような派遣SEでも悪くない給与をもらっています。
なので、就社ではなくSEとして就職するという視点で話をします。
とにかくエンジニアとしてのキャリアを積むのが最優先
「とりあえず、エンジニアとしてのキャリアを積んでいきたい!」という場合は、どこでどれだけのことを学んだか?なんてことよりも、どれだけの実務経験があるかが重要になります。
そのように考えると、スクールに通っている時間は損失です。
ということで、個人的に未経験でエンジニアになる上で最良の方法は、【明らかにやばいブラックだけ避けて、中途採用でも研修してくれる企業に転職する】です。
これがコスパ最高です。むしろこれしないとすら思っています。
他の人がお金を払ったり、無報酬でプログラミングの勉強をしているなか、自分はお給料をもらいながら勉強することができます。
次点として、【職業訓練校に入る】です。
前職がブラックだったりした場合は、こちらで心と体を癒しながら勉強するものアリではあります。
失業保険金や職業訓練受講給付金を受け取ることができれば完璧です。
エンジニアは転職しやすい
「そんな、とりあえず就職しろみたいなので本当に大丈夫なのか?」
「イマイチな企業に入ってしまったらどうするんだ?」
と言いたくなる気持ちよくわかります。ただ、思い出してください。
なぜ未経験からエンジニアに転職しようと思ったのでしょうか?
お給料?
くいっぱぐれなそうだから?
いやいや、一番は手に職をつければ転職できそうだからではないですか?
エンジニアには勉強さえすれば未経験からでも転職しやすいです。そして、きちんと能力を身に付ければ業界内でも転職しやすいです。
従業員が気持ちよく仕事ができるように努めるの企業側の努力です。
とりあえず研修目当てで入社して、その会社が気に入ればそれでよし。気に入らなければ、実力を磨いてさっさと転職。
これを常に頭に入れておけば、多少ブラックでも死にはしません。
おすすめの学習教材
上記に書いた通り、個人的にはスクールに通うよりは、さっさと就職して実務経験を積むべきだと思っています。
とはいえ、事前にプログラミングなどの学習をしておくに越したことはありません。面接時にも本気度が伝わりますしね。
というわけで、個人的なおすすめ教材を紹介していこうと思います。
Udemy
Udemyは、世界最大級のオンライン学習プラットフォームです。
日本ではベネッセが運営してしているので安心感もあるでしょう。
ここで「ウェブ開発コース」のカテゴリを選択したり、「java 入門」などで検索すればたくさんの講座が見つかります。
しょっちゅうセールも開催されていてコスパはピカイチです。私もよく利用しています。
講師にもよりますが、質問を受け付けてくれている講座も多いです。なので、初めての学習にもぴったりだと思います。
paiza
paizaは、エンジニア向けの転職・就職・学習プラットフォームです。
転職というワードに敷居の高さを感じるかもしれませんが、paizaラーニングというサービスで様々なプログラミング言語を学ぶことができます。
すべてのコースを学ぶためには有料プランの加入が必要ですが、月1,078円 (税込)からなので、手軽に始められると思います。
あと、Python×AI・機械学習入門編のスペトラーナ・小百合・べレフスカヤちゃん、めちゃかわいいです。好き。
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